▼詳細
■研究の概要
京都には、伝統と文化を継承しながらも先端的な技術を生み出し、それを取り入れる環境があります。人々は生活の中で季節の変化を感じ自然と共生してきました。本学のある松ヶ崎は、背後に五山の送り火の「妙・法」が灯る西山(万灯籠山)と東山(大黒天山)、宝ヶ池や深泥池など、市街地に近いながらも豊かな里山の自然が残されています。また、本学には上賀茂本山に環境教育研究の野外実習場として整備されたエコフィールドがあり、里山を代表する動植物が数多く生息しており、身近に自然を感じることができます。この里山の環境を教育研究に活かすプログラムを進めています。
現在、ヤママユAntheraeayamamaiをはじめ、シンジュサンSamiacynthiapryeri、オオミズアオActiasalienaなど京都市産ヤママユガ科類の系統化に成功しています。里山の虫たちの代表で日本固有種のヤママユの保護とその生息環境の保全にも積極的に取り組んでいます。2011年からは、ヤママユの飼育を通じて自然とふれあい、身近な自然環境の大切さを学ぶ活動を広げるために、「京都北山やままゆ塾」を開塾しました。活動目標は、(1)北山の自然に親しみ、環境をみつめ、(2)ヤママユなどの虫たちを育てることで生命の大切さを知り、(3)環境を守る気持ちと地域のコミュニケーションを育み、豊かな未来につなげる環境教育研究を展開することです。