歯車のスカイビング加工は、要求される加工精度や工具寿命が達成できず長い間実用化されてこなかったが、ここにきて高剛性の機械、強度や耐摩耗性に優れた材料等の開発が進み、実用化例が見られるようになってきた。しかしながら、スカイビング加工用カッタの設計については不明な点も多く、方法が確立されたとは言い難い状況であった。
京都工芸繊維大学とアイシン精機・カシフジ・九州精密工業は、共同研究によりスカイビングカッタの設計法を確立した。これにより、種々の歯車のスカイビング加工が可能となった。
歯車のかみ合い理論に基づくコンピューターシミュレーションシステムを開発することによって加工に適したスカイビングカッタの形状を決定することが可能となった。
自動車用歯車の加工メーカー、歯車用工作機械メーカー、歯車加工用工具メーカー及び大学が未解決問題に取り組むためにスカイビング研究会を立ち上げた。
歯車かみ合い理論に基づくコンピュータシミュレーションによるカッタ形状の検討を求められた。
スカイビングカッタの形状検討のみならず、切削効率の推定、切削時の振動源の推定を行うことで、十分な精度を有する歯車の加工が可能となった。
[ファンディング、表彰等]日本機械学会 機素潤滑設計部門 優秀講演表彰 瓜生 耕一郎(カシフジ)