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アラスカ及びカナダ先住民族の口承文化・文学研究

米国の先住民族（アメリカ・インディアンとアラスカ先住民）は、全米人口に占める割合が1.3％という圧倒的少数派です(2020年統計)。人口激減を招いた要因は、17世紀以降の「白人」入植者との戦争、伝染病、先住民排斥を目的とした国家施策等でした。見方を変えれば、現在の米国先住民族はこういった危機を生き延びた人々の子孫であり、彼らの生存を支えた知恵や技術に学ぶべきだということが様々な研究分野で提唱されています。私の研究対象は、アラスカ・カナダ先住民族の口承文化・文学です。彼らの口承物語は単なる娯楽ではなく、民族の歴史や文化、自然環境との共生の方法やそのためのルール等、世代間で継承すべき重要情報を圧縮して伝える媒体でした。彼らの物語の意味解読を通して、地球環境問題に新たなアプローチ法を提言することを目指しています。