2020年1月
GPUスパコンによる凝固・粒成長の大規模phase-fieldシミュレーション
研究内容
フェーズフィールド(phase-field)法は、最も強力なメゾスケール材料組織予測法として発展しています[1]。しかしながら、計算コストが高く、取り扱える領域が限定されることが課題でした。この課題を克服するために、東京工業大学のGPU (graphics processing unit)スパコンTSUBAMEを用いた大規模シミュレーションを可能として、大規模計算によってのみ達成可能なメゾスケール材料組織予測を行っています。単に計算規模が大きいだけではなく、分子動力学法とフェーズフィールド法を用いた新しい粒成長シミュレーション手法の構築、格子ボルツマン法とフェーズフィールド法を連成させた液相流動中でのデンドライト成長など、他には真似のできない大規模かつ独創的な研究を行っています。
主な成果の概要
温度勾配を変えて、デンドライトからセル形態までを再現し、いずれの凝固形態においても温度勾配方向の結晶方位を有する粒が優先的に成長し続けることを明らかにしました。
表面で核生成した固相核がデンドライトへと成長し、固液密度差によって落下し、底に等軸堆積層を形成する過程を再現しました。
理想粒成長の統計的挙動を800GPU並列計算によって世界で初めて明らかにしました。
異なる手法のブリッジングシミュレーションは新しい試みです。
研究者プロフィール
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研究者ハンドブック
主な発表論文・関連特許
[1]ISIJ International
著者名 : T. Takaki
出版年月 : 2014年
巻・号・頁 : 54 (2014) 437-444
[2]Materialia
著者名 : T. Takaki, S. Sakane, M. Ohno, Y. Shibuta, T. Aoki, C.-A. Gandin
出版年月 : 2018年
巻・号・頁 : 1 (2018) 104-113
[3]Advanced Theory and Simulations
著者名 : Y. Shibuta, M. Ohno, T. Takaki
出版年月 : 2018年
巻・号・頁 : 1 (2018) 1800065
[4]npj Computational Materials
著者名 : E. Miyoshi, T. Takaki, M. Ohno, Y. Shibuta, S. Sakane, T. Shimokawabe, T. Aoki
出版年月 : 2017年
巻・号・頁 : 3 (2017) 25
[5]Modelling and Simulation in Materials Science and Engineering
著者名 : Y. Shibuta, S. Sakane, E. Miyoshi, T. Takaki, M. Ohno
出版年月 : 2019年
巻・号・頁 : 27 (2019) 054002
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