ソーラー式縁石鋲は、「蓄電池の動作期間が3~5年」「日陰では十分な動作時間が確保できない」等の不安定な動作があることにより、設置目的である交通安全対策が十分に果たせていない。
京都工芸繊維大学と株式会社タナベは、共同研究により夜間のみの発光で10年の長期間駆動を可能とする低消費電力かつ高視認性の発光方式を利用したフラッシュスタッドを開発した。これにより、日照条件の悪い設置場所でも安定した発光が可能となった。
LEDの点滅発光に対して人間の目が感じる明るさは、パルス発光のON・OFF比(デューティー比)により異なることに注目し、人間の目の明るさに対する感度の飽和も踏まえ、発光の効率化を図った。
過去の共同開発で「1次電池式自発光点字ブロック」「1次電池式自発光道路鋲」を市場に投入してきたが、「より明るく発光させてほしい」「点滅だけでなく点灯発光も実現してほしい」というニーズがあったため。
使用する素子の元素レベルの特性について、LEDの発光と視覚感度の飽和の関係を電力効率へ反映させることが求められた。
視覚感度の飽和点や電力効率の優位性に考慮してLED素子の発光特性を見直した。明るさと電力効率のバランスをとることで、電力のみに頼ったLED発光から脱却し、高輝度発光と長時間動作を両立させた。