産学連携

【京都経済同友会のビジュアル・アイデンティティの刷新】

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この成果により解決が図られた現在社会が直面する課題

 京都経済同友会は、京都府域で活動する経済人から構成される経済団体で、経済人が個人の資格で参加し、経済や社会の課題に関する政策提言を行っている。しかし京都の経済界を牽引する団体でありながら、長らく本格的なVIは使用されていなかった。

成果

 「伝統」「先進」「グローバル」の3つのキーワードを、動きのあるシンプルなデザインで表現し、会員のプレゼンスや帰属意識の向上を図ることができた。

実用化まで至ったポイント、要因

 策定に際してアウトプットのみならずプロセスを重視し、研究室メンバーと経済同友会会員とで複数回のワークショップを実施した。その中で、京都経済同友会のアイデンティティやあるべき姿を議論して、キーワード「伝統」「先進」「グローバル」に整理し、それをデザインに落とし込んだ。

研究開発のきっかけ

 京都経済同友会と本学が産学連携協定を締結し、従来からブランド開発を研究してきた研究室との連携がはじまった。

民間企業等から大学等に求められた事項

 2018年に創立70周年を迎えるにあたり、記念事業の一環として新VIを策定し、その展開までトータルにディレクション、デザインすること。

技術の新しい点、パフォーマンスの優位性

 VIの中心的役割を果たすシンボルマークは、京都以外の人々が、京都という響きから思い浮かべるステレオタイプな表層的伝統イメージを避け、京都の精神が持つ多面性、先進性など、京都の内側から発信するメッセージをビジュアライズした。立方体から派生したシンボルマークの形態は、これまでにない新しい発想を生み出し、変化し続けることを表し、3つの形はそれぞれ、伝統や歴史などの資産、グローバル化、先進性を示している。ロゴタイプは、明快な中に情緒を感じさせるサンセリフの書体を開発し、マークと組み合わせることにより、信頼できる安定感を創出している。一般企業のサービス的用途とは異なり、京都の会員の意思疎通を図り、内外に発信するツールとしての役割を持つため、飽きの来ないデザインを目指した。



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