■研究の概要
アリ類は、集団で社会生活を営む昆虫で、自然生態系では様々な植食性昆虫や捕食性昆虫などに対する潜在的捕食者として機能しています。近年、人間の経済活動が急速に拡大するにつれ、汎世界的に分布を広げる侵略性外来アリ種の国内侵入や、様々なアリ害の拡大が確認されるようになりました。害虫化したアリへの対処策は、薬剤による駆除・防除が進められていますが、自然生態系でアリ類が担う役割を考えると、排除によって生じる負の影響を無視することはできません。そこで、私たちの研究室では、自然界でアリと関わりを持つ生物種が講じている「アリ対策」に注目しています。そのような生物種による化学的・物理的な対アリ戦術は、人とアリとの間に生じる問題を解決するヒントを与えてくれます。