京都工芸繊維大学 産学公連携推進センター

■研究の概要

　有機半導体を用いた発光デバイスに有機発光ダイオード（一般的には有機EL）があります。有機ELは2端子の素子ですが、近年、有機発光電界効果トランジスター (OLEFET) と呼ばれる図1に示すような、有機半導体発光層にソース電極とドレイン電極が接し、またゲート絶縁膜を介してゲート電極をもつ3端子素子が注目を集めています。通常、OLEFETでは3つの電極に直流電圧を印加して（接地も含む）、ソース電極とドレイン電極から電子および正孔を注入して素子を発光させます（図1参照）。我々のグループでは、図2の回路に示すように、ソース電極とドレイン電極に負と正の直流電圧を印加し、ゲート電極に交流電圧を印加することで、直流電圧だけを用いた場合に比べ、はるかに強い発光輝度を得ることに成功しました。

■研究の概要

　有機半導体分子が規則的に配列している結晶では、電荷輸送特性や発光特性などの物性に異方性が現れます。図1に示すように、分子の規則性に起因して、物性値の特定方向への増強効果も期待されます。これは有機半導体結晶が光・電子デバイス材料として高い可能性をもつことを示しています。我々のグループでは、有機半導体結晶による高性能なオプトエレクトロニクス・デバイスの実現を目的に、基板上に良質な有機半導体結晶を直接成長できる液相結晶成長法を開発してきました。これらの有機結晶を用いて、レーザー素子や高速トランジスターの開発を進めてきました。