■研究の概要
分光学的分析の過程では、試料表面全体をカバーする座標(直行、円筒、極)を設定することが必要となります。
まずは、解像度と測定時間を調整するために座標の各要素を最適化し、そうすることで、ラマンスペクトルと光学/レーザー画像の両方またはその一方が得られます。さらに、レーザー焦点を調整することによって、試料の深さ方向のスペクトルを取得することもでき、より詳細なラマンプロファイルを作ることができます。
また、試料表面に照射するレーザーを調整する際には、手動で試料を動かすだけでなく、自動ステージを使用することもできます。
ここで取得されたラマンスペクトルは、専用ソフトウェアによってデコンボリューションされた後、それぞれのバンド、位置、幅、強度が記録され、さらにその材料の特性に応じて、各バンドのパラメーターが処理され、化学組成、相、残留応力、結晶性、さらに温度についての情報が得られます。
次に、それらのスペクトルから得られた試料の情報が後処理ソフトウェアに転送され、2D及び3Dマップが作成されます。そのマップを試料表面の3D CADモデルと組み合わせることで、試料表面の形状と化学・物理的な情報を一度に確認することができます。