▼詳細
■研究の概要
現代日本人はエアコン使用による快適環境下での日常生活が当たり前となり、さらに生活を楽にする家電製品の高機能化によりヒトは汗水流して働く必要が少なくなっています。このような社会状況は運動不足によるメタボリックシンドロームを誘発し、ヒトの環境適応能力を減退させる重要な要因となっています。本シーズでは熱中症や寒冷環境による事故を減少させるために重要な人間の機能向上を目標としています。具体的には暑熱・寒冷環境における現代日本人の適応能力を評価し、日常生活時に曝露されている温度や運動習慣と環境適応能力との因果関係を総合的に解析して、現代日本人の健康水準を向上させる方策を見つけることを目的とします。従来、ヒトの環境適応能力は暑熱・寒冷環境における体温調節反応を生理学的に解析・評価するのが一般的です。本シーズではこの方法に加えて、環境適応能力に影響を与える要因を生気象学的および衛生学的手法を用いて測定し、ヒトの環境適応能力とその決定要因を総合的に解析する手法を紹介します。