■研究の概要
プラスチック(高分子材料)には、軽い/水や薬品に強い/さびない/長持ちするという特徴があり、安価で容易に成形できるため、金属や木、ガラスといった天然の素材に代わり、生活の中の様々な場面で活用されています。しかし、このような高分子材料であっても他の材料に比べて、光・熱および水などの環境因子の作用を受けると劣化し易いという弱点があります。高分子材料の劣化は酸化劣化や分子鎖切断といった化学構造変化を伴って物性が低下します。このような劣化に関する研究は多く行われ、基本的な劣化機構はほぼ解明されていますが、実際の製品や部品に生じる劣化機構は複雑であるため、個々の製品に対して物性測定し、評価することが必要となります。
我々の研究グループでは、劣化した高分子材料や加速劣化させた高分子材料に対して蛍光分光法を応用することにより非破壊で簡便に高分子材料の劣化を計測することができます。また、熱分析やその他分光分析、顕微鏡観察と併せて多角的に評価することができます。