京都工芸繊維大学 産学公連携推進センター

■研究の概要

■インド原産のGymnema sylvestreの葉に含まれるギムネマ酸（GA）は強い甘味抑制作用を有するトリテルペン配糖体です。GAは味蕾に発現している甘味レセプターに結合し、本来のリガンドである甘味物質の結合を阻害していると考えられています。
■GAの甘味抑制作用は通常30分から1時間持続するが、γ-シクロデキストリン (γ-CD) 溶液により速やかに解消することが知られています。本研究では味覚修飾物質GAとその阻害剤γ-CDとの分子間相互作用の構造的見地からの検討を行いました。
■NMR測定において、GA単独では非常にブロードなスペクトルが、α-CDやβ-CDの添加では変化が見られず、γ-CDの添加では明らかにシャープなスペクトルとなりました。これはGAとγ-CDの特異的結合を示すとともに、水溶性凝集体の形成を示唆しています。さらに、分子動力学計算により複合体構造を明らかにしました。

■研究の概要

　微生物の生産する様々な生理活性物質は主にファインケミカルとして幅広い用途に利用されています。それらは一般に化学合成では得難い特殊な構造と機能を有しています。一方、環境中には未分離の微生物が多く存在します。それら微生物の生産する新規な生理活性物質を探索し利用することで、新しいコンセプトを持つ製品の開発が可能になります。本研究では、新たな視点から微生物の機能を捉え、新規な生理活性物質を生産する微生物を環境から高効率に分離するための新規スクリーニング技術の開発に取り組んでいます。