▼詳細
■研究の概要
■インド原産のGymnemasylvestreの葉に含まれるギムネマ酸(GA)は強い甘味抑制作用を有するトリテルペン配糖体です。GAは味蕾に発現している甘味レセプターに結合し、本来のリガンドである甘味物質の結合を阻害していると考えられています。
■GAの甘味抑制作用は通常30分から1時間持続するが、γ-シクロデキストリン(γ-CD)溶液により速やかに解消することが知られています。本研究では味覚修飾物質GAとその阻害剤γ-CDとの分子間相互作用の構造的見地からの検討を行いました。
■NMR測定において、GA単独では非常にブロードなスペクトルが、α-CDやβ-CDの添加では変化が見られず、γ-CDの添加では明らかにシャープなスペクトルとなりました。これはGAとγ-CDの特異的結合を示すとともに、水溶性凝集体の形成を示唆しています。さらに、分子動力学計算により複合体構造を明らかにしました。