さまざまな素材は、人々の生活を様々なシーンで支えていますが、その機能の設計・管理テクノロジーによって価値が決まります。特にヒトの身近で使われることが多い「やわらかい」素材は、より文化的な生活を実現していくために一層の発展が求められており、そのデザイン技術に高度化が必要となっています。そこで現在、あらゆる身近なモノを対象として、「やわらかさ」を定量化した上で、さらに生活を豊かにできる「やわらかさ」を実現するための研究に取り組んでいます。
モノを動かすアクチュエーターでは、高い位置決め精度が求められること等から外力が生じた際の変形が小さなハードなシステムが一般に理想とされていますが、ヒトの身近で駆動する場合には大きく変形して高い安全性が確保できるソフトアクチュエーターも望まれています。そこで、いろいろな生活のシーンで既に使われているソフトな超弾性合金を使って強力なアクチュエーターを実現する原理と、その制御システムについての研究成果を紹介します。