▼詳細
■研究の概要
現在主に使用されている酸化染毛剤を用いて染毛すると、毛髪や頭皮が傷み、染毛後にかぶれや激しい症状が現れることがあります。また、染毛に伴って大量の廃液が下水に廃棄されるとともに劇薬相当成分が染毛中に大気に放出されています。そこで、人体と環境への負荷をより低減させた染毛用染料を、(+)-カテキン・ロスマリン酸・茶抽出物などのバイオベースマテリアルを用いて開発しました。
(+)-カテキンを酵素または化学酸化して得られる「カテキノン」は、主に4-(3,4-ジヒドロ-3α,5,7-トリヒドロキシ-2H-1-ベンゾ-2α-イル)-1,2-ベンゾキノンの化学構造をもつ物質カテキノンからなり、毛髪を黄~橙~茶色に染色します。茶抽出物からも同様のプロセスによって染料が得られます。
一方、(+)-カテキン・ロスマリン酸・茶抽出物などのカテコール誘導体を含むバイオベースマテリアルと金属化合物を組み合わせると、毛髪を黒色や濃茶色に染色できます。