■研究の概要
企業の研究開発活動の成果である「発明」を特許として権利化するためには、それを特許出願して特許審査官による審査を通過することが必要です。しかしながら、当該発明がいかに素晴らしい技術的な取り組みであったとしても、知財的・技術的な全ての要件に適合する形で発明の内容を特許出願書類に記述することができなければ、特許を受けることができません。そのために、先行特許の入念な調査、発明の技術的特徴の整理、適切なクレーム(請求項)の作成、特許明細書の作成、特許出願書類の補正、といった特許出願における特許文書の読解と推敲に係る一連のプロセスを着実に実行することが不可欠となります。特許文書は、技術的文書であると同時に、発明の権利範囲を規定する一種の法的文書であるという二面性を備えていることが、このプロセスを複雑にする要因になっています。そこで、本研究では、特許文書の読解と推敲を効率化するための支援システムの実現に向けて、様々な要素技術を開発します。