▼詳細
■研究の概要
試料を含む水溶液(水相)を有機溶媒(有機相)と振り混ぜる溶媒抽出は、試料の分離・濃縮法の基本的な操作の一つです。本研究は、水相と有機相を2本の電極で挟み込み、両相間に電位をかけることによって、イオン性物質を電位制御で自在に抽出・逆抽出する方法を開発しました。水相と有機相を数十μmまで薄くしたことによって、1分以内にイオン性物質全量を抽出・逆抽出することができます。一方、イオン性物質の抽出・逆抽出にともなって電流が流れますので、これを積算した電荷量から抽出されたイオンの総量を直接見積もることができます。これは、検量線を必要としない定量法(絶対定量法)で、貴重な測定法となります。