■研究の概要
汗をかいて体温を調節できる哺乳類は、ヒト、ウマ、ロバ、一部のサルのみであり、ヒトは暑さに対する耐性が高い哺乳類と言えます。しかし、近年の夏季の気温上昇は深刻化しており、気候変動による気温上昇は今後も続くと予測されています。このような環境において生活する私たちが、暑さ対策や新しい熱中症予防策を構築できるよう、ヒトの生理反応を主として、体温調節(体温の上昇度や発汗量の測定など)、心拍数や血圧の変化、暑さ感覚や快適性の変化を測定・研究しています。また、市場には暑さ対策を謳う製品が開発・販売されていますが、それらの効果を物性試験ではなくヒトの生理反応を基に評価することで、ヒトにとって本当に効果があるのかを検証し、製品の開発や改良に繋げる研究も行っています。これらの実験結果を基に、科学的根拠に基づいた暑さ対策の構築や快適性を保つ方法の開発を目指しています。