▼詳細
■研究の概要
■ホログラムは、擬似的な3D画像やバーチャル・リアリティ(VR)とは異なり、空間的な奥行きまでも再現でき、まるで本物の物体がそこにあるかのように見せる究極の写真技術です。この延長に書き換え可能なフルカラーホログラムがあり、それは究極の映像技術と言えます。この書き換え型フルカラーホログラムの実現には、最適な光学技術と材料選択を同時に満たす条件を見つけなければなりません。ホログラムの光学技術は、既に完成された技術であるが、最適な材料選択は未だに材料群のカテゴリーすら定まっていません。私たちは、数多くある候補の中でフォトリフラクティブポリマーかフォトクロミック色素に注目しています。フォトリフラクティブポリマーは、光導電性ポリマー中の電荷キャリアを印加電圧によって高速に移動させるため書き換え型ホログラムに適した高い回折効率(ほぼ100%)と早い応答時間(ミリ秒)が達成できます。しかし、高電圧駆動による材料の劣化が課題です。フォトクロミック色素は、光異性化と光配向によって高い回折効率(ほぼ100%)と応答時間(数秒)が達成できますが、応答時間が遅く回折格子の保持ができないといった課題があります。本研究は、これらの材料を合成、素子化、評価まで一貫して行なっています。
■フォトリフラクティブポリマー
回折効率が70%(ブラッグ回折:理論最大100%)、応答時間が1ミリ秒で繰り返し屈折率変調格子の制御ができます。
■フォトクロミック色素
回折効率が30%(ラマン・ナス回折:理論最大34%)、応答時間が2秒で繰り返し屈折率変調格子の制御ができます。