■研究の概要
治療法の確立されていない進行性の遺伝性難病ALSを発症すると、人口呼吸器をつけない限り2~3年で呼吸不全により、死亡します。人口呼吸器をつけると延命できますが、運動神経のみが障害を受け、感覚神経や意識は正常なため苦しい状態が継続し、患者さんにとって非常に過酷な疾病と言えます。私たちはALS原因遺伝子の中でFUS遺伝子(ショウジョウバエCAZ遺伝子)とFIG4遺伝子(ショウジョウバエdFIG4遺伝子)に注目して、それらのショウジョウバエホモログをノックダウンした系統を作製しました。これらを用いた遺伝学的スクリーニングにより、両遺伝子に共通に関与する遺伝子やシグナル経路の同定を進めています。これら共通遺伝子のヒトホモログは新規のALS診断マーカーや治療標的となります。