▼詳細
■研究の概要
■背景
近年の地球環境問題から、非石油由来材料である天然繊維の有用性が見直されつつあります。一方、現代の社会においては依然、数多くの未利用または廃棄物となる天然繊維が存在しています。その中で抄紙技術は様々な繊維を好みの状態に成形するのに有用な技術として存在しています。
■目的
各種の天然繊維を集合して機能紙あるいはボードとして成形する手法の開発を目的としています。その際、繊維の性質や形状、目的とする特性にあわせて前処理、表面化学処理、バインダー樹脂や他材料との複合化などを検討します。
■内容
現在に検討しているものの例として以下のものがあります。
1.北山杉の杉皮を原料とした杉皮紙、杉皮ボードの作製
2.シルク繊維と竹パルプからなる混抄紙の作製と化学処理による機能付与
3.ケナフ材料のみを用いた織物強化繊維ボードの作製と強度向上
4.ガラス繊維/パルプ混合繊維ボードの作製とマット材への利用
5.PLA樹脂をバインダーとして用いたシルク紙の作製
6.かんな屑/パルプ混合ボードの作製と断熱性の向上
7.古紙パルプを用いた掲示板の作製と押しピン特性改善
8.リサイクルを目的とする廃棄衣料を原料に用いる紙の抄紙
これ以外にも様々な天然材料から紙、ボードを作製し、その物理的特性の発現メカニズムの検討を行っています。