▼詳細
■研究の概要
大気圧雰囲気で対向電極により高電界を加えると、電子が加速され、雰囲気ガスの電離や解離、励起が起こります。ここで、定常的に生成される電子、イオンや励起種の集合体をプラズマと呼んでいます。プラズマを芽胞菌に照射することにより、殺菌できることがわかっています。主にプラズマにより生成される化学的活性種(ラジカル)が殺菌に寄与すると考えられます。また、プラズマ中に水滴(ミスト)を導入すると(図1)、生菌数が大幅に減少し、殺菌の効果がより高められます(図2)。このとき、ヒドロキシラジカル(OH)が生成されることが確認されています。一方で、人体の健康を害するオゾンの発生は抑制されることが経験的に知られています。ミストの添加により、酸素由来のラジカル(スーパーオキシドアニオンラジカル(O2-)、ヒドロペルオキシルラジカル(HO2)、過酸化水素(H2O2)、一重項酸素(1O2))の生成量も同時に生成され、殺菌に寄与すると予想されます。ミストプラズマを用いると、適度に水分が供給されるので、保湿しながら殺菌をすることができます。肌や生鮮品、植物など、あらゆる表面で乾燥を防ぎながら、衛生環境を保つことができます。