▼詳細
■研究の概要
機械や構造物の振動制御に用いられる動吸振器は、制振対象に質量をばねとダンパによって接続し、制振の対象となる機械・構造物の応答にこの付加的な振動系の固有振動数を合わせることで応答振幅が低減できるパッシブ(受動)型の制振装置です。このように動吸振器は非常に単純な構造ながら、エネルギの吸収能率が高く、後付けが可能である等のメリットがあることから、現在、様々な機械・構造物において利用されています。この制振性能をさらに向上させるため、モーターや油圧アクチュエータ等のアクチュエータを備えて外部からエネルギが供給できるアクティブ(能動)型の動吸振器も実用化されていますが、設置スペースの制約を起因とする質量の稼働範囲制限の問題や、制振対象の経年劣化等の影響によってパラメータが変化した時のロバスト性能に関する問題などが解決すべき課題として挙げられています。
そこで、歩幅に制限がありながら、様々な路面状況においても異なる速度で柔軟に歩行することができる生物の歩容システムに着目し、制約条件下で安定した歩行を具現化しているシステムを規範とした新しいアクティブ動吸振器の制御システムを提案しました。