▼詳細
■研究の概要
ソフトマターは高分子やコロイド、界面活性剤などの柔らかい物質の総称であり、ゴムタイヤ、塗料、化粧品、液晶テレビ、日常のあらゆる生活用品、生体物質など様々なものへ使用されており、機能性材料の宝庫として注目されています。ソフトマター系において、発現する物性やその発現メカニズムを知るためには、ミクロ(どのような原子・分子で構成されているか?)とマクロ(物性)の情報に加え、流体内部の構成要素がどのように分散または凝集するのかというメソスケールの情報も重要となります。しかし、実験の側面からは流体内部の分子集合体を正確に直接観察することは簡単ではなく、さらに外力によって、変形・破壊・再生成を行うため、例えばせん断下や熱勾配下での観察はより困難なものとなる上、再現性の問題も抱えることになります。このような問題に対して、粗視化分子シミュレーションを用い、分子のデザイン(ナノスケール)-自己集合・分散構造(メソスケール)-物性(マクロスケール)を接続することで、物性発現メカニズムを分子レベルで明らかにすることを目的として研究に取り組んでいます。