■研究の概要
機械内部における摩擦や摩耗を低減するための潤滑メカニズムについて、ナノスケールの観点から解明を進めています。機械の円滑な動作を維持するためには、潤滑油の存在が不可欠です。潤滑油には複数の添加剤分子が配合されており、これらは金属表面に膜を形成し、摩擦や摩耗の特性を劇的に改善します。特に、数ナノメートルという極めて小さな分子が界面で働くことで、摩擦低減効果や耐摩耗性を発揮するメカニズムに注目しています。従来、トライボロジー分野においてはマクロスケールでの評価が中心でしたが、ナノテクノロジーや表面科学の知見を応用することで、より精密な評価と新たな知見の獲得を目指しています。