▼詳細
■研究の概要
化学的酸素要求量(COD)と生物化学的酸素要求量(BOD)は水の有機汚濁の指標ですが、琵琶湖では1985年以降BODはほぼ一定なのに対し、CODは徐々に増加しています。これは微生物の分解を受けにくい難分解性有機物が増加しているためと考えられ、霞ヶ浦、十和田湖など他の湖沼でもその増加が報告されています。難分解性有機物の増加は、浄水場での有害なトリハロメタン(THM)生成や湖沼などの生態系に影響を与えるため、この原因解明は環境科学から浄水処理など環境工学、環境政策にわたる広範な分野で極めて有用です。
そこで、琵琶湖・淀川水系における溶存有機物質(DOM)と蛍光物質の動態と化学特性、及びTHM生成能の研究を進め、土壌フミン物質に加えて内部生産の藻類由来有機物などの影響が大きいことを明らかにしてきました。