▼詳細
■研究の概要
X線CTにおいては様々なアーティファクト(偽画像)が生じることが知られており、長年解決のための努力が続けられています。本研究では全く新しい再構成法によって、様々なアーティファクトの大幅な低減に成功しました。代表的なアーティファクトの一つは、図に示したように被写体に不透明部位を含む場合に生じるメタルアーティファクトです。
通常のCTではFilteredBack-projection(FBP)という方法で再構成を行います。CTにおけるアーティファクトの原因の多くは、FBPで用いられるフィルタリングと逆投影という2つの操作に起因します。本研究では、どちらの操作も用いないことでアーティファクトの低減を実現しました。Forward-projectionという操作だけを用い、"サイコロ"によって再構成像を求めます。様々な工夫によって、100の10万乗という途方もない組み合わせから、リーズナブルな解を10秒程度で選び出します。SimulatedAnnealing法を使ったCTということで、SACTと呼んでいます。