■研究の概要
全エクソームまたは全ゲノム配列決定技術により、希少疾患や未診断疾患の患者のエクソームまたはゲノムを配列決定することによって、多くの遺伝子変異が特定されています。特定された遺伝子が疾患の原因であることが既知である場合、診断の確定に至ります。しかし、大多数のバリアントは、疾患にどのような効果をもたらすのか不明です。そのために、遺伝子機能の解析を行い、効果を明らかにすることが必須ではありますが、安価で迅速な効果検証は困難です。
私たちは、シンプルなモデル生物であるショウジョウバエを用いて、この問題の取り組み、年々蓄積しつつある疾患の原因となる候補バリアントをスクリーニングし、少しでも多くの確定診断の一助となることを目的とします。
期待される効果として、希少疾患や未診断疾患の確定診断率の向上が挙げられます。これにより、何年にもわたって診断をつけるために彷徨う"diagnosticodyssey"をしなければならない多くの患者さんの気持ちを少しでも安らげることが期待できます。