▼詳細
■研究の概要
繊維に高エネルギーの電子ビームを照射すると、瞬時に繊維表面および内部にラジカル活性種が発生します。これをアクリル系、メタクリル系モノマーに接触させると固体表面からモノマーが重合し、まるで挿し木(グラフト)のように成長します。成長したグラフト鎖は、モノマーの構造によって難燃性、撥水性などの機能を発現するため、モノマーを選ぶことで任意の機能性を繊維に付与することができます。もちろん、繊維だけでなく高分子フィルムやプレートにも応用可能です。また、電子ビームはグラフト重合だけでなく、照射するだけで高分子どうしが架橋したり、架橋剤を併用することでさらに強く橋架けしたりすることで、強度や熱安定性などの物性が改質されます。