▼詳細
■研究の概要
超大規模集積回路(ULSI)の高集積化及び高機能化が進む中、半導体デバイス作製に関わる微細加工・薄膜形成技術において、プラズマプロセスの高精度制御が次なるブレイクスルーを生む鍵となっています。
次世代ULSIに登場する高誘電率ゲート絶縁材料や電極材料などをナノメートル精度で成形する微細加工技術をはじめ、超高速演算処理プロセッサ作製において重要な工程となる低誘電率薄膜形成技術など、未来社会を担う情報処理素子を実現するプラズマプロセスの研究開発を行っています。
半導体プロセスに用いられる反応性プラズマは既存の材料加工に適用されるのみならず、これまでにない全く新しい材料を生み出す可能性をも秘めています。ちょうど宇宙空間でこの地球という天体が生まれたように、プラズマという媒質中でこれまでにない条件での物質形成が可能です。室温プラズマ中で自発的にナノダイヤモンドが形成され、ミクロな物質へと成長していくのがその一例です。プラズマという熱的非平衡環境を積極的に利用し、ナノテクノロジーの要素技術を確立することを目指しています。一方で、プラズマ中の微粒子の振る舞いは結晶物質の原子のそれと似ており、微粒子によって形成されるクーロン結晶は新しい材料として注目されています。ドイツ・ロシア研究チームとの国際協力により国際宇宙ステーションでの実験に参加し、日本のモジュールであるきぼう(JEM)での実験を目指すべく航空機での無重力実験にも取り組んでいます。
また、プラズマを用いて殺菌をすることもできます。あらゆるプラズマを駆使し、半導体先端材料の加工から、超微粒子の形成、宇宙、バイオ・医療分野まで、あらゆる材料とプロセスに挑戦します。