▼詳細
■研究の概要
近年では、"生物多様性"や"エコ"、そして"食の安全"に対する意識が高まっています。病害虫に対する意識も、従来の全駆除を目指す殺虫・排除型の対処療法的管理から、生活環境・自然環境に配慮した総合的生物多様性管理(IBM)へと移行しつつ有ります。本学の嵯峨キャンパスは、歴史的風土保存区域内に位置しており、豊かな自然環境に囲まれています。このような自然を身近に感じられる環境と嵯峨キャンパス内に広がる実験圃場を活かして、環境に配慮する総合的生物多様性管理法の創出と理解を目指す教育・研究プログラムを進めています。
昆虫は、ヒトと比べて単純な生物で、刺激に対して単純に応答するロボットのようなものと考えられがちです。しかし実際には、それぞれが状況に応じて生き延びられるように、利用しうる限りの情報を複合的に利用する能力を持ち、互いに相手を出し抜こうと熾烈な生存競争を繰り広げています。"自分は誰かに食べられることなく、何ものかを食べることができるか"は昆虫にとっても重要な命題の一つです。そのため、「食べられないため」「食べるため」に、様々な工夫を凝らしています。そうした生物種間相互作用を解明することで、自然に対する理解を深め、生物多様性管理に基づく環境教育・研究を展開していきます。