■研究の概要
昆虫は、卵を大量に産むことで次の世代につなげる「多産多死」型の戦略をとっています。しかし、大量に産卵したからといって餌が十分にない環境下であれば、ふ化した子世代が生き残れないだけでなく、卵を産みだした親世代の負担も大きくなり自分自身の生存さえも危うくなります。そこで限られた餌の下で、昆虫の卵細胞の成熟と親の生存とのバランスをとるための機構があることが予想されます。これまでいくつかの昆虫種でそのような機構が明らかになりつつあります。
ここでは甲虫の一種であるコクヌストモドキを用いて卵成熟の栄養による制御の機構の解明を目指しています。この虫では、体全体でRNAi(systemicRNAi)を簡便に引き起こすことができるため、必要に応じた実験系を迅速に構築することが可能となります。