京都工芸繊維大学 産学公連携推進センター

■研究の概要
上市されている医薬品の約60%に含窒素複素(=ヘテロ)環、約20%にフッ素原子が含まれており、様々な理由から、医薬品になりやすい構造として認識されています。しかし、中には合成上の制限を受けているために、未だにその性質が明らかにされていない「未踏分子」が多数存在します。そこで我々の研究グループでは、新たな医農薬品シーズに繋がる新奇なヘテロ環骨格ならびに有機フッ素化合物の合成法の開発を進めています。

■研究の概要

高分子の物性や機能は、その主鎖構造に大きく影響するため、新しい高分子材料の開発を目的として、多種多様な高分子合成法が研究されています。我々は、リビング環化共重合反応を開発し、主鎖に芳香環を持つ新しい高分子骨格の合成に成功しました。本手法により、分子量や両末端の構造を精密に制御できるだけでなく、骨格に多様な設計を取り入れることが可能です。さらに、側鎖の工夫により、主鎖の環構造がらせん状に積層したπスタック型高分子を構築できることを明らかにしました。これらの技術基盤を基に、高分子の機能化や新規材料の開発を目指して研究を進めています。