▼詳細
■研究の概要
水質汚濁防止法(下水道法)が2001年に改正され、フッ素の排水基準は15ppmから8ppmと非常に厳しくなっています。フッ素化合物は熱的、化学的安定性と界面的特性に特長があり、生物活性に特異な性質をもつため、有機合成、医学、農学などの分野や様々な産業で使用され、その適切な処理が必要です。エレクトロニクス分野やめっき処理工程などで使用されているホウフッ化物は難分解性で、フッ素の処理を困難にしています。
そこで本研究では、フッ素とホウフッ化物混合試料の分析法、並びにマイクロ波加熱を用いる迅速なホウフッ化物の分解法を開発しました。分解後のフッ素は、カルシウムイオンでフッ化カルシウムとして沈殿処理後、さらにジルコニウム担持のキレート樹脂を用いて処理する二段階処理により、フッ素濃度1ppm以下に処理することが可能です。